郵政民営化を監視する市民ネットワーク

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 Ubin Watch news No.11
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  決戦急ぐな 法案の慎重審議を

  いよいよ決戦の日が迫ってきました。自民執行部は民営化法案賛否をめぐる党内の混乱の中、当初予定の今週中本会議採決をあきらめ来週8月8日に延ばしたと言われています。「法案には反対だが解散により野に下るのだけは避けたい」と苦汁の選択をする自民党議員もいると言われ、水面下の駆け引きばかりに気が取られ、本来の法案への評価が正しく行われないという「パニック」状況が現出しているようです。でも、私たち市民は法案の中身の検証をさらに深め、拙速な結論は避けるべきだと思います。

  小泉首相の配慮?
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 8月2日の郵政民営化特別委員会では小泉首相が出席して「ていねい」な答弁を行ったと言いますが、「反対は倒閣運動だ」と気色ばむ場面も多く、一歩も引かない従来の姿勢をあらわにしただけにとどまりました。
  焦点の郵便局ネットワークについては「将来、合理的な再配置は否定されるものではないが、国民の資産として守り万が一にも国民の利便に支障が生じないにしていきたい」、金融サービス維持については「株式持ち合いによる一体的経営を可能とすることにより、これまで同様、郵便局を拠点として一体感を持った業務展開ができる」、郵政民営化委員会による3年毎の進ちょく状況の見直しについては「経営形態を含むあらゆる事項を含む」と答弁し、一定の「配慮」を演出しましたが、結局は従来の答弁を越えるものではありませんでした。
  法案の再修正はおろか付帯決議、まして継続審議も行う考えなど初めからなく、後で言質は取られない程度のリップサービスに終始しただけでした。

  民営化で利便性が向上?
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  小泉首相は民営化すれば「今まで想像していないようなサービスが郵便局で展開される」と述べ、民営化により「国民の利便性が向上する」と繰り返し答弁しますが、何一つ具体的なメリットを示してはいません。はっきりしているのは、サービス廃止と切り下げだけなのです。
  民営化し4つに分社化することにより「それぞれの会社が自立し特化した経営ができる」と述べますが、今まで3事業の相乗効果で補完・協力しあいながら何とか経営していた郵政事業を機能別という名の下で分割して、はたして良いサービスが提供できるか不安は尽きません。

  例えば民営化法案で廃止されることとなる「郵便為替」「郵便振替」というサービスは郵便事業と貯金事業が結合した郵便局ならではの送金サービスです。郵便為替の一つ「電信為替」は郵便局オンラインを使って全国どこでも急ぎの送金ができます。現金を申し込み者から受け取った郵便局は、ただちに受取人の配達郵便局に入金を通知、そこから即時に受取人宅に現金を配達するのです。
  また、郵便振替サービスは低手数料(1万円以下ATM送金で60円)のうえ、手数料の受取人払い(赤伝票)扱いもでき、受取人には入金通知が無料(通信事務扱い)で郵送されます。その通知票には「通信欄」もあり払い込み者が払い込み金の内訳や簡単なメッセージまで添えることができるのです。金融事業と郵便事業の一体経営があるからこそできるこのシステムは、世界に類例のない庶民のための送金サービスなのです。

  疑わしきは採決せず
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  こうしたサービスが分社化により無くなるのです。3事業一体経営によるシナジー効果(相乗効果)を否定し、「生木を裂くようナ」机上での機能別分社化を基本とした郵政民営化法案のどこに「利便性向上」が担保されたと言えるのでしょうか。
  政局が叫ばれる中、参院では民営化法案に対する真面目な審議が行われています。郵便局会社(窓口会社)、郵貯銀行、郵便保険会社、郵便会社のビジネスモデルへの疑問が各委員から噴出していますが、政府は新会社の「経営判断」と逃げ、抽象的な答弁ではぐらかす姿勢を変えていません。法案への疑問はさらに深まるばかりです。「疑わしきは採決せず」−後戻りがきかない民営化法案の強行採決は避け、基本的な疑問が解明されなければ継続審議とすべきです。拙速な採決は日本の将来へ大きな禍根を残すこととなるでしょう。

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