郵政民営化を監視する市民ネットワーク

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 Ubin Watch news No.16
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「9・11総選挙」で問われているのはこれからの社会ビジョンです

〜「勝ち組」のための政治改革にNO!〜


  8月8日、小泉首相は暴挙ともいえる衆議院解散を断行しました。解散直後の記者会見において、彼は「郵政民営化に賛成してくれるのか、反対するのか、これをはっきりと国民の皆様に問いたい」と述べています。
  今回の解散自体、国会の役割を無視した非民主主義的なものといえますが、ここであらためて、小泉首相の郵政民営化論を整理し、いま私たちに問われている問題は何かについて考えてみたいと思います。

☆ 小泉首相のウソ!?

  これまで小泉首相は「官から民へ」を合言葉に、郵政民営化について三つの論点を提示してきました。
  一つは行財政改革のために公務員を削減すること、もう一つは資金の流れを官から民に移すこと、三つ目は既得権益をむさぼる「抵抗勢力」を解体することでした。
  とくに、一つ目の論点については、8月8日の記者会見でも執拗に触れ、「郵便局の仕事は国家公務員でなければできないのか。民間人ではやってはいけないのか。これができないで、どんな公務員削減ができるんでしょうか。どういう行政改革ができるんでしょうか」と述べています。

  しかし、私たちはこれら三つの主張がすべてウソだと判断しています。

  まず、公務員削減問題については、すでに郵便局は公社化され独立採算制をとっており、国から人件費は出ていません。したがって、それを行財政改革と結びつけて考えることはできません。
  次に、郵貯・簡保については、340兆円もの資金が集まり、その多くが国債の購入に当てられていることが問題とされています。ですが、実のところ、民間の金融機関は郵便局以上の資金を国債の購入に当てています。市場には余剰資金が87兆円もだぶついていると言われています。民間銀行には融資しようにもその市場がなく結局国債を買っています。「民営化」しても国債の買い手が民間企業に変わるだけで、資金の流れが「官から民へ」=中小企業やベンチャー企業などに流れるとはいえないのです。
  最後に、既得権益の解体については、郵政民営化法案を見る限り反故にされています。たとえば、法案には「郵便認証司」のように、事実上、既得権益をむさぼる特定郵便局制度を温存するしくみが残存しています。

☆ 小泉政治の方向性

  このようなウソまでついて進められてきた、郵政民営化とはいったい何なのでしょうか?
  小泉首相はこれまで「官から民へ」という言葉を多用してきましたが、ここでいう「民」とは民間企業のことを指しています。
  郵政民営化は「誰にでも平等に提供される必要のある」公共サービスを解体し、すべてのサービスを企業の採算に見合ったものに作り変えようとしています。採算のとれない過疎地の住民や小口貯金者、福祉的要素をもつとされてきた第三種・四種郵便、「ニュー福祉定期預金」などは、切り捨てられる危険性もあります。
  優遇されるのは、あくまで大都市在住の住民、裕福な大口貯金者だけなのです。

  郵政民営化は、福祉・医療・教育などの公共部門を削減し、企業が利益追求しやすい社会をつくるための象徴といえるでしょう。それは市民・労働者が自己責任原理のもと競争を強いられ、不平等に耐えることを求められる社会でもあります。

  前回の国会では郵政法案と同時に、障害者自立支援法案が審議されていましたが、これも同じ論理にもとづいています。障害者に「応益負担」を強いるこの法案では、公的福祉を切り捨て、サービスを市場にゆだねることが追及されているのです。教育改革、税制改革、憲法問題など、他の政治改革にも同じような社会の論理=市場の競争原理と自己責任を求める社会にしようとしています。しかしこれは一部の「勝ち組」には都合のいい優遇が約束されていますが、大多数の「負け組」には一方的に犠牲を強いる社会とは言えないでしょうか。

  今「9 ・11総選挙」において問われているのは、このような企業優先的な自己責任社会を認めるか否かなのです。

☆ 「勝ち組」政治にNO! 

  これまで私たちは郵政民営化を監視するなかで、「官vs民」の枠組みをこえ、公共サービスの価値を再確認することを提案してきました。むろん特定郵便局長などの既得権益を認めることはできません。ですが、誰もが平等にアクセスできる郵便サービス、小口貯金者にも開かれた金融サービスは、私たちの生活に欠かせないものとして守らなくてはなりません。
  利益追求に走り、公共サービスの理念を忘れがちな現在の郵政公社に対しては、今後も監視の目を光らせなくてはならないでしょう。
  私たちは「民営化」とは異なる真の郵便局改革をめざしています。小泉首相は「民営化」という言葉に、大企業、一部の「勝ち組」に有利な社会を築くという意味を込めていますが、私たちはこうした弱者切捨ての政治改革には断固反対していきたいと思っています

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