郵政民営化を監視する市民ネットワーク

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 Ubin Watch news No.35
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  郵政民営化の根本的見直しを

  民主、社民、国民新の3党が2007年8月9日に共同で国会に提出し、同年12月12日に賛成票132票(民主党・新緑風会・日本116票、日本共産党7票、社会民主党・護憲連合5票、会派に属さない議員4票)、反対票103(自由民主党・無所属の会81票、公明党21票、会派に属さない議員1票)で可決され、衆院の継続審議となっていた「日本郵政株式会社、郵便貯金銀行及び郵便保険会社の株式の処分の停止等に関する法律案」(以下、凍結法案)が、今月9日に衆院総務委員会で採決され、11日の衆院本会議で採決されることになりました。

  私たちは、郵政事業が担ってきた公共サービスを維持、発展させるためのスタートラインとして、議員のみなさんが、凍結法案に賛成されることを訴えます。

  凍結法案は、国が保有する日本郵政株式会社の株式および、同社が保有する郵便貯金銀行、郵便保険会社の株式を売却を凍結し、凍結期間中に郵政民営化の見直しを行うことを規定しているものです。
  郵政民営化法では、日本郵政株式会社が保有する郵貯銀行および郵便保険会社の株式を遅くとも2017年9月30日までに全部を処分しなければならない、とされています。しかし郵政民営化法が成立した2005年10月と現在では状況が大きく変化したことが考慮されなければならないと思います。

  金融危機の今こそ郵政事業の見直しを

  いま、規制緩和と新自由主義によってカジノと化してきた金融市場は未曾有の経済危機に陥っています。そして危機を引き起こした責任とは無縁の人びとの生活や雇用を不安定なものにしています。

  2005年10月14日に成立した郵政民営化法は、お金の流れを「官から民へ」「貯蓄から投資へ」という目的を持つものでした。しかし今般の世界的金融危機により、その前提は脆くも崩れ去りました。庶民のささやかな蓄えである郵貯やだれもが加入できる簡保資金は、もうすこしでカジノと化した金融市場へと投じられるところだったのです。

  非正規労働者の雇用保障と均等待遇を

  金融二社だけではありません。郵便事業会社や郵便窓口会社においても、利潤最優先の施策のなかで進められる効率化は、国営・公社時代から続いてきた人員削減と雇用の不安定化をさらに拡大させています。

  郵政グループ全体で20万人に上る不安定雇用の非正規労働者が、公共サービスを維持するために働いています。
  しかし均等待遇と安定した雇用という生活に必要な基本的な権利さえも保障されていないなかで、どうして基本的人権である公共サービスを維持することができるでしょうか。

  社会の再生と復興のために

  空前の金融危機に直面するいま、民営化、規制緩和、貧困・格差を拡大してきたこれまでの政治・経済・社会のあり方が根底から疑われています。
  代議制民主主義においては、議会内の力関係や議論が、急転換する民意や社会の変化とタイムラグを有することは避けられません。
  わたしたちは議員のみなさんが、民意の変化の風を敏感に捉え、際限のない利潤追求ではなく、人々が普通に暮らし、働き、そして平和に生きる権利を保障する公共サービスを維持、発展させるためのスタートラインとして、凍結法案に賛成することを強く訴えます。

  新自由主義路線からの根本的転換を

  審判の日は近づきつつあります。総選挙後の情勢は大きく揺れるでしょう。
  有権者の過半数は2005年の「郵政総選挙」でも正しい選択をしました。
  「官から民へ」「貯蓄から投資へ」というメッキはボロボロに剥げ落ちてたいま、有権者の選択はより鋭いものになるでしょう。

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  郵政民営化を監視するネットワーク 11・7集会アピール
  郵政事業を市民・社会の手に
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  去る11月7日、私たちは「社会的金融システムの確立を」というテーマで市民集会を開きました。郵政民営化一周年を機に、再度その意味を問う集会として企画されたものです。
  今回その集会の最後に採択されましたアピール文を紹介します。
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  日本の郵政事業が民営分社化されて一年有余が経過しました。
  小泉「構造改革」の天王山として、“郵政民営化”は国論を二分する政治焦点化し、一度は参議院で法案が否決されたにもかかわらず、掟破りの衆院解散総選挙を強行、マスコミをも巻き込んだ刺客・劇場選挙により圧勝(票数では民営化反対票が上回ったにもかかわらず)。
  2005年10月郵政民営化法案が成立、2007年10月1日本郵政公社は民営分割されました。

  郵政民営化の最大の狙いは、新自由主義・規制緩和に活路を求める小泉政権が日本経済を米・国際金融資本などの後押しのもと、金融自由化を加速させ、カジノ・博打金融資本に「郵貯」「簡保」資金を投入可能とし、弱肉強食の野蛮な自由競争に導こうとするものでした。
  新自由主義が世界中で闊歩する中、日本においても、人・金・物・公共サービスなど全てを市場メカニズムに投げ込み、その結果が、格差拡大・地域切捨て・ワーキングプアの急増、・・・年金・医療・雇用等社会的セィフティーネットが次々と崩壊、小泉政権を受け継いだ安倍・福田両政権が一年と持たず政権を投げ出す状況を生み出しました。

  そしてこの秋、米サブプライムローンの暴落に端を発する世界同時金融危機がカジノ金融市場にしっぺ返しとして襲い掛かりました。100年に一度といわれる金融恐慌です。

  民営分社化から一年、簡易郵便局の閉鎖など住民サービスが大きく後退、限界集落等の過疎地域のコミュニティの崩壊に拍車をかけています。とりわけ金融のユニバーサルサービスが危機に見舞われているのです。庶民のささやかな郵便貯金・簡易保険など、リスク商品=投資信託などとして金融バルブ、カジノ市場に巻き込まれる要因ともなりました。
  世界金融恐慌と日本経済の閉塞状況・・・郵政民営化を見直す時期を迎えました。

  私たちは郵政民営化に反対し民営分社化された「日本郵政」を監視してきました。市民・利用者・労働者の立場から郵政民営化を見直すことが今こそ不可欠です。

  2万5千の郵便局ネットワークを維持し、高齢者社会や地域コミュニティ再生のための生活拠点と位置づけ、市民・利用者・労働者参加による事業運営を図ることです。
  事業展開はユニバーサルサービスを基本に公共性を高め、とりわけ郵貯・簡保の資金運用方法を改めることです。
  庶民の貯蓄・決済・生活保障手段としての事業展開を図り、資金運用はカジノ的投機金融とは峻別し、国債偏重をも改め、地方自治体への還元拡大、地方の資金は地方で運用するシステムを確立し、地域の中小零細企業への資金供給が容易に可能な仕組みです。

  多くの資金がバブル化し、バブルがバブルを産みそして弾ける。このような博打のような投機金融システムを抜本的に見直さない限り、社会的格差は埋まらず、抜き差しならない対立がいたるところで激しく生起することは明らかです。
  見直しの皮切りに、郵政民営化を検証し、郵政事業の公共性を市民・利用者・労働者に活用できる社会実現のために、闘いを強化していきましょう。

  2008年11月7日 郵政民営化を監視する市民ネットワーク

 

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