郵政民営化を監視する市民ネットワーク

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 Ubin Watch news No.5
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  「地方公聴会」ってなんのため?

  6月28日に新潟(上越市)、佐賀(唐津市)、北海道(札幌市)で公聴会が行われますが、自民党役員会は同日28日にも総務会を開催し、郵政民営化法案を修正して内容を了承、党議拘束をかけて提出するといわれています。一方小泉首相は未だ修正に応じていません。都議選の結果を心配してか開票前に衆院特別委員会、本会議での強行採決を行おうとしています。
  十分に審議が尽くされたというには程遠く、審議すればするほど民営化の必要性が極めてあいまいで、不明確なことはハッキリしてきました。答弁では何度も「市場原理で」と発言していた竹中大臣自身が、民営化推進の政府広告を随意契約で行っていたことが明らかになっています。世論は政府のダブルスタンダードに対する不信を強めています。

  郵政事業は民営化する必要はありません。公共サービスとしての郵政事業を発展させ、利権や癒着を一掃するためには、民営化ではなく、民主化が必要です。サービスの中身や働く環境、巨額の資金の使い方などを地域の利用者やサービスを担う職員が政策決定に関与することができる方法を模索すべきです。
  衆議院で採決するための単なる通過儀礼とするような公聴会開催に、私たちは強く抗議するとともに、郵政民営化に疑問をもつすべての委員(議員)の方が、みずからの信条に恥じることのない決断をしていただきたいと思います。

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  なんとお粗末な自民党修正案

  自民党執行部が21日まとめた修正原案が22日朝日新聞で報じられています。
  「(1)窓口会社の業務として貯金・保険を明記 (2)過疎地の郵便局設置基準を政省令から法案本文へ格上げ (3)地方自治体の事務を肩代わりするワンストップ・サービスを郵便局の業務として明確に位置づける」というもの。
  この原案は、連日大声をだし、特別委員会でやじっている山崎拓氏を含む与党理事たちが作成したもので、参院幹部は評価し、執行部は「首相にもうけいられる内容」だと見ていると言われています。しかし何というお粗末な修正案でしょうか?
  まさかこんな内容で自民党反対派の人たちが妥協するとは考えられませんが、党執行部は「修正した」という実績だけがほしいのだと思います。とにかく、「党議拘束」さえかけれればそれでいいと思っているのでしょう。

  問題のひとつは(1)の「窓口会社の業務として貯金・保険を明記」です。
  かりに、窓口会社が郵便だけでなく貯金や保険業務を行うとしても、担保がありません。相手は、2017年完全民有民営化される郵便貯金銀行と郵便保険会社です。この2つの民間会社は窓口会社で業務行う義務は法律上どこにもないのです。
  担保が無くて法律上業務を執行する義務が生じたとき郵貯・保険会社にタダ同然の委託手数料で業務をすることになります。(1兆円基金の120億円は焼け石に水であることは言うまでもありません)そのツケは、結局、窓口会社ともうひとつの委託会社である郵便会社に回ってくるのです。指定過疎地以外の郵便局の統廃合と郵便料金の大幅値上げとなって国民・利用者へのサービスダウンとなっていくことは明らかです。

  どだい小手先の修正ではだめなのです。分割・民営化によって生じる新たなコストが大きいのです。その額5200億円とも、システム維持費を加えれば6200億円とも言われていますが、窓口会社に新たに業務を義務づけようが、貯金・保険会社に義務づけようが、最後は国民・利用者負担となることは避けられないのです。

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  国民は気づきだしています
みなさんの政治家たる姿が見たい

  6月13日の読売新聞調査に続いて6月20日の日経新聞調査では、「民営化すべきだ」が41%で7ポイントダウン。一方「民営化する必要ない」は、2ポイント上げて37%となりました。「小泉改革」を全面的に賞讃する日経新聞でさえ郵政民営化推進は先細りです。法案の取扱では「首相の姿勢を支持」は22%、「今国会での成立にこだわるな」が44%でした。また、共同通信社の調査では、「今国会での成立を」が22%、「民営化の必要なし」「議論をつくすべき」があわせて65%でした。多数の国民が今国会での成立を望んでいないのです。
  国会審議を通じて、結局、郵政民営化が国民・利用者へのサービスの向上にならないし、行政改革にも何ら関係ないということが明らかになるにつれ、郵政民営化の必要性を感じる人が少なくなっているということがわかります。
 
  しかし、小泉首相らは、公明党も使って恐怖政治を続け法案成立をごり押しで計ろうとしています。
  政治評論家の森田実さんは言います。「脅かされたら脅した主と戦うのが真の政治家である。脅すような卑しく、嫌らしい脅かしに対して抗議し、戦うのが真の政治家である。・・・神崎発言に震え上がった自民党議員が数多くいるという。本当なら、こんな情けない話はない」「今回、衆院本会議を欠席した綿貫、亀井、野呂田3氏に重ねて敬意を表したい。こうした勇気ある政治家がいなくなったとき、政界は国民から見離されてしまうだろう。」
  多くの市民もまた森田さんと同じような感想を持ったのではないでしょうか?
  自民党の迷っている議員の皆さん、多くの市民は、みなさんを見ています。いま、公明党に頭を下げればあなた達は二度と公明党の言うことに逆らえないでしょう。みなさんの本当の支援者を裏切るべきではありません。

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  竹中疑惑は深まるばかり

  「本筋から離れている」との指摘はまちがいです
  審議の中では連日のように竹中大臣の「随意契約」疑惑が追及されています。これに対して大手メディアは「本筋と違う」と報じています。果たしてそうでしょうか。

  「今回の随契は、昨年の12月28日に実質契約を交わしたとされており、その理由として国会審議が本格化する2月6日に広報チラシを配布する必要があり、そのための用紙1500万枚の発注が1月6日がデッドラインとなるため、年末年始をはさんでいる仕事納めの日(12月28日)に契約をした、と政府広報室は主張。」「しかし、これは矛盾だらけだ。政府の広報などは、一般競争入札に付さなければならず、随契にできる理由は、緊急性などの要件がいる。・・・本来の会計法上の趣旨では、天変地変などの予見不可能な事象に対して、緊急性を要件としているのである。大きな間違いであり法令違反は明白である。」(「不易塾日記より」)ということが本質です。
  国民の1億5000万円もの血税が竹中さんの秘書官との知り合いの業者(設立されたばかりの従業員がたった2名の会社)に随意契約されたのものであり、この法令違反によって得をしたものは誰かを明確にする必要があるのです。

  竹中さんは、市場至上主義的に「競争によって経済は活性化する」「市場がすべてを決める」などと国会審議の途中にも何遍もこのセリフを使って郵政民営化の必要性を説いてきたのではなかったでしょうか?その竹中さんや政府の人たちが自ら法令に違反しても競争つまり市場ではなく随意契約を行ったのです。
  これほど言っていることとやっていることが違うことはありません。だから、ますます郵政民営化の必要性がわからなくなっているのです。
  竹中さんは、例の竹中本「郵政民営化−小さな政府への試金石」の出版に関して「編集者への謝礼を広報予算で工面できないか相談していた」(ブログ「よく分かる郵政民営化論」より)というからこれも驚きです。彼は、学者それとも政治家、いや本業は違うようです。いずれにせよ、マスコミがなんと言おうとも徹底的に竹中疑惑は追及すべきです。

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