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Q&A 郵政民営化とは何だろう?
政府の説明に惑わされることなく本質をよく考えてみよう
解説:高橋 伸彰(立命館大学教授)

Q1 政府が妥協すれば民営化しても実質は今までと変わらない?
Q2 民営化されるとサービスはどうなるのか?
Q3 民営化して各社が競争すればサービスは向上するのか?
Q4 過去に民営化された電話や鉄道はどうなった?
Q5 公共サービスと民間サービスの根本的な違いとは?
Q6 政府が宣伝する「国民に大きな利益をもたらす」の「国民」とは誰か?
Q7 「見えない国民負担」を問う 1
     なぜ公共サービスに「見えない国民負担」が必要なのか?
Q8 「見えない国民負担」を問う 2
    銀行のための国民負担を問題にしなくていいのか?
Q9 「民営化されれば郵政に集まっている資金が民間に流れる」は本当か?
Q10 郵政公社の公務員を民間人にすれば国民負担は減るのか?
Q11 法律で今後民営化は議論しないとしたはずだったのでは?
Q12 虫眼鏡でないと読めないような公約は公約と言えるのだろうか?
Q13 現場の経営者は民営化論議をどうとらえているのか?民間出身の生田総裁の声
Q14 公務員は給料をもらいすぎているのか?
Q15 民間企業はサービスに対して責任をとれるのか?
Q16 民間でできることと、公共でやるべきことは何か?
  この解説は、2月13日に大阪で行われた「郵政民営化に異議あり!2.13市民のつどい」での高橋氏の講演を再編集したものです。なお、囲みの市民の発言は、4月3日東京での「郵政民営化を監視する市民集会」の中での発言をまとめたものです。


プロフィール
  たかはし のぶあき  日本経済研究センター、通産省企画室主任研究官、米国ブルッキングス研究所客員研究員。99年4月より立命館大学教授。著書に「設備投資と日本経済」(東洋経済新報社)「数字に問う日本の豊かさ」(中公新書)「優しい経済学」(ちくま新書)「『郵政民営化』への尽きない疑問」(雑誌「世界」04年12月号)など多数。

 

Q1 政府が妥協すれば民営化しても実質は今までと変わらない?

 政府が自民党内の反対派と妥協すれば、たとえ郵政が民営化されても、民営化とは名ばかりの話でサービスの内容はこれまでと大して変わらないのではないか?と考える人がいるかもしれません。しかし、民営化には本音と建前の区別はありません。

  民営化とは実を取るか名を取るかといったレベルの話ではありません。民営化をするか、しないかということは、現在行われている郵政サービスを今後とも公共サービスとして利用者に提供していくのか、それとも単なる「商品」として提供するようになるのか、といった違いがあります。
  公共サービスであるかぎりは、人々が生活するうえで必要かどうかという基準で郵政サービスが今後とも提供されることになります。ですから過疎地に住んでいる人にも郵政サービスが必要だと判断されれば儲かっても儲からなくてもサービスは提供され続けるわけです。

  しかし民営化されると、郵政公社は株式会社になります。そのとたんに「郵政サービス」は「商品」として供給されることになります。
  「商品」というのは売って、作っていくら儲かるかを基準にして供給されるものです。つまり郵政サービスは公共サービスとしてではなく、民営化と同時に商品として提供されるようになります。だから、儲からないサービスはいずれ廃止され、長期的には、儲かるサービスだけが提供されるようになっていくわけです。
  今の段階で、政府が色々な約束を利用者に対して、あるいは与党に対して行っても、結局は民営化されてしまえば、その瞬間から郵政サービスは商品に変身してしまう。そうなれば儲からないという理由で、たとえ社会的に必要なサービスであってもどんどん切り捨てられていくことになります。



Q2 民営化されるとサービスはどうなるのか?

 郵政民営化とは、郵政サービスの供給主体が公共的な公社から民間の株式会社に変わるということです。郵政サービスを提供する主体の所有者が公的な主体から、株主という私的な主体に変わるということです。

  もし国が郵政サービスの提供主体であるならば社会的に必要なサービスを提供することに努めます。しかし、所有者が利益だけを追求する私的な株主(たとえ、株主の中に国がいても、それはもはや私的な株主としての国であり、公共主体としての国ではなくなる)になれば株主が儲かるサービスしか提供しないようになるわけです。

懸念される第3種、第4種郵便物の廃止
                大束愛子さん(ふぇみん)

  第3種、第4種郵便物は公共サービスという面から普通郵便よりも安くなっています。私たちが発行している「ふぇみん」は定期刊行物ということで安くなっています。
  第4種の利用者には難病の方たちのグループがいますが、難病の治療には非常にお金がかかるということで、彼らはもっと安い料金で郵便サービスを利用できるそうです。視聴覚障害のかたたちは無料です。

  もし民営化になった場合、これらはまったく儲からない部分ですから廃止の対象にされる恐れがあります。10年後にはどうなってしまうのかということが心配されています。そのため、この第3種、第4種郵便の存続を求めていこうという運動も一部にでてきています。

  ミニコミとはひとつの文化で、大きなマスコミにも負けないニュースを書こうと頑張っているところも多いのですが、それが郵政民営化のなかでどうなっていくのか本当に不安です。
  航空労組の方たちは、もし通常の郵便料金で郵便物を出すことになれば、世界規模で組合を組織するような活動はできなくなるだろうと言っていました。

  事前にどんな約束をしても、結果的に民間企業になれば儲かることはやるけれども、儲からないことはやらないようになっていくわけです。なぜなら儲からないことをする経営者は株主によって首を切られるわけですし、損をするような事業を行う経営者は株主総会で選任されなくなるわけです。

  つまり、倒産すれば元も子もないわけですから、そうならないように、雇用を切る、賃金をカットする、郵便局を閉める、第3種、第4種の身障者への割引サービスも打ち切る、新たな手数料を求めたり既存の手数料を引き上げたりするといったことが、それをやらなければ郵便株式会社は潰れてしまうという理由で次々と行われていくのが民営化の本質に他なりません。
  民営化の本質は「儲かる事は何でもやるが、儲からない事は何もやらない」。民営化と同時に、郵政サービスもそういう基準で提供されたり、提供されなくなったりすることになるのです。



Q3
 民営化して各社が競争すればサービスは向上するのか?

 郵政が民営化されれば、いずれ色々な民間会社が新規に郵政サービスの分野に参入してきます。電電公社がNTTになったとたんに色々な通信会社が新規参入してきたように、郵政の分野にも民間企業が参入してくるようになります。

  民間企業が参入して真っ先に何をするかと言えば、儲かる分野、現在は儲かりすぎている分野の仕事をやり始めます。そこで「東京や大阪などの大都市内であれば郵便物は、80円ではなく30円で配達しますよ」とか、「東京と大阪間の小包なら300円で配達しますよ」といった具合に、儲かるところを狙い撃ちしてどんどん参入してくると、民営化された郵政会社も値段を下げなければ対抗できなくなります。
  そして、儲かる分野で値段を下げていけば、ユニバーサルサービス、すなわち、あまねく公平に、全国一律に一定の料金でお金を持っている人にもお金を持っていない人にも、一定の料金で提供しているようなサービスを提供することは不可能になります。儲かっている分野で価格競争すれば当然儲からない分野の値段を上げるか、サービスを廃止するかしかないからです。



Q4
 過去に民営化された電話や鉄道はどうなった?

 かつて民営化された電電公社はNTTに変わったとたんに、どのようになったでしょうか?あるいは国鉄がJRになった時にどうなったでしょうか。思い起こしてください。

トヨタ方式導入で郵便局の信頼が揺らいでいる
                  石井さん(越谷市民)

  私は越谷で生まれ育っているので越谷郵便局のサービスを何十年も利用してきました。
  昨年に限って、毎年1月1日の2時か3時には届いていた年賀状が、何回郵便受けを見に行っても届いていないということがありました。郵便局の人から2日は配達されないと聞いていたのですが、2日朝に新聞を取りに行ったら郵便受けにたくさんの年賀状が入っていました。
  他にも、家の近くにポストがあるのですが、ある日投函するときにそのポストの脇をみたら、それまで1日3回あった収集が午後2時の1回だけになっていたのです。3回あったときは7時半ごろに集荷されるので、夕方に出しても明日の早朝にはもっていってくれると思っていたのですが、それが1回になってしまったのです。しかも、なにげなくポストの横を見て初めて知ったという状況です。
  これが、実験的にトヨタ方式が導入された越谷郵便局の状況です。

  昨年の8月3日にATTAC Japanの方たちと越谷郵便局を訪問して、これらのことを質問しました。
  その結果1月1日の配達がなかったのは私のところだけでなく、他にもたくさんあったということと、1月2日に郵便受けにあったのは前日の夜遅くに配達されたのだということを知りました。
  郵便局の内部も見ましたが、そこは椅子がまったくなくまるで工場のようでした。私たち利用者にとっての適正なサービスを考えるためには、郵便局で働いている人たちの労働条件の問題も考えていくことが大切なことだと感じました。

  今、効率化のなかで近くのポストの集荷回数が少なくなって、その分繁華街の方のポストの集荷回数が増えるというようなことは、つまり、同じ通信手段を利用する立場であるにもかかわらず、地域に偏在があって利用回数も少なくなるということは、サービスの切り捨てです。
  私はこのことに憤慨しています。皆さんと一緒に利用者の立場から郵政民営化反対を訴えていきたいと思います。

  小泉首相はメールマガジンで「電電公社が民営化されたからと言って電話のサービスが無くなったわけではない」「国鉄が民営化されたからと言って鉄道が無くなったわけではない」「だから郵政が民営化されたからと言って郵政サービスが無くなるわけじゃない」と言っています。

  しかし、歴史を振り返れば民営化されたNTTは、電電公社時代に無料でサービスしていた電話番号案内を有料化し、公衆電話からの市内通話サービスも3分10円から1分10円に3倍も値上げをし、最近では、公衆電話もどんどん撤去し始めています。

  また、国鉄がJRになった時は、4000キロ近くの鉄道路線が廃止され、いまでも錆びたままの鉄路が放置されているところがあります。

  それと同じことが郵政サービスで生じないと誰が約束できるのでしょうか。

  民営化というパンドラの箱を開けてしまえば、後は資本と商品の論理で事業が進められ、郵政サービスの内容が決定されていくことになるのです。そうでなければ民営化する必要もないのです。



Q5
 公共サービスと民間サービスの根本的な違いとは?

 民営化することはサービスの性格が大きく変わるということです。具体的に言いますと、お金持ちには払えるお金に見合ったサービスを提供するが、お金を持っていない人には持っていない程度のサービスしか提供しない。つまりお金が基準で1円1票が民間サービスの世界、社会的な必要性が基準で1人1票が公共サービスの世界なのです。
  この結果、民営化されたとたんに、お金を持っている人にも、持っていない人にも一定の料金で一定のサービスを提供する公共サービスの分野はどんどん縮小されていくことになります。

  郵便局は企業や自治体からの貯金、それから一人1,000万円を超える貯金を郵便局は預かっていません。郵便局が扱っているのは、あくまで一人1,000万円未満の小口貯金です。このような小口の貯金の機会を郵便局は全国あまねく公平に提供しているのです。
  民間銀行に行けば大口の預金者は個室に通されてお茶やコーヒーのサービスを受けながら預金の出し入れをしているわけです。小口の預金者はATMに並んでサービスを受けているわけです。つまりお金持ちとお金持ちでない人は、民間銀行では差別されているのです。その差別はこっそりと見えないように行われています。

  民間銀行は、できることならばお金持ちからたくさんお金を預かって効率よく運用したい、貧乏人の預ける少ない預金は手数ばかりがかかるだけで儲からないというのがホンネなのです。だから民間企業はできるだけ儲かるサービスしか提供しない仕組みになっているのです。



Q6
 政府が宣伝する「国民に大きな利益をもたらす」の「国民」とは誰か?

 「国民に大きな利益をもたらす」という意味を考えると、「民営化により利益を受ける国民には大きな利益をもたらす」となります。要するに、「民営化により利益を受ける」という部分が省かれて、ただ単に「国民」と言っているだけなのです。
  民営化によって利益を受けない国民は、野党を支持している国民と同じように利益は及ばない「国民」となってしまうのです。
  となると、そもそも利益を受ける国民とは誰のことか?という疑問が沸いてきます。それは、大口の貯金者、大都市在中の住民のことであり、過疎地の住民や、小口貯金者は、郵政民営化の利益を受ける国民の対象ではないのです。



Q7
 「見えない国民負担」を問う 1
     なぜ公共サービスに「見えない国民負担」が必要なのか?


 「見えない国民負担」について考えてみると、政府の言い分では「民間企業なら当然負担すべき負担を郵政は負担をしていない」ということです。

  しかし、郵政公社は民間企業ではありません。民間企業が負担しなければならない負担をしていないのは、民間企業ができない公共サービスを提供していることに対する当然の代償なのです。
  区役所、市役所は民間企業の本社や営業所のように固定資産税を負担していないのと同じことです。だからと言って区役所や市役所は「見えない国民負担」をしているから問題だとはなりません。

日本の舵取りを左右する、
  損保・銀行・運輸業界、
アメリカの民営化要求
            安田浩一さん(ジャーナリスト)

  竹中平蔵は、著書のなかに「郵政民営化は手段にすぎない」とはっきり書いています。そして「一機関のあり方の問題にとどまらず、この国に小さな政府を作ることができるのか、それとも大きな政府になってしまうのかという国民的選択の問題になってくる」とも書いています。つまり、彼にとって郵政公社はひとつの手段にしかすぎず、最終的には小さな政府づくりに繋げていきたいというのが竹中の中心的なねらいだと考えます。

  また、彼は「官業は民業の補完に徹するべきだ」とよく言います。要するに「儲かる分野は民間へまわせ」ということです。
  このことを裏付けるかのように、たとえば小泉内閣の郵政民営化法案作成部門として機能している内閣府のなかにある郵政民営化法案準備室にはスタッフが80名くらいいますが、そこには各省庁からの出向者以外にも全国銀行協会、ヤマト運輸、日本通運など民間側からも人が派遣されています。

  このように関係業界の人間が法案作成にタッチしているというのは非常に大きな問題ですが、これに対して内閣府は何の疑問も感じていません。このことについて取材をしたところ、「内閣府は法案作成という大切な部分には民間の方には席をはずしてもらう」と言っていたのですが、果たしてそんなことができるのでしょうか。

  昨年大統領選の前には、日米首脳会談がブッシュと小泉の間で行われました。このなかに郵政民営化の話が出ています。
  このなかでブッシュは郵政民営化にふれて、首相の強いリーダーシップに敬意を表すると褒め称えています。
  その後、10月に米国通商代表部(USTR)が日本政府に対して規制改革要望書という分厚い文書を日本政府に突きつけています。そこには郵政民営化という項目が新たに付け加えられました。
  つまり、アメリカにも参入させろということです。今あちこちで外資系損保会社が宣伝をしていますが、要するに郵政民営化の取り分が欲しいということをアメリカははっきり言っているのです。これこそがまさにハゲタカです。

  こちらの方が日本の舵取りを大きく左右している問題だと思います。損保業界、銀行業界、運輸業界など国内の民間業者の思惑に加えて、早く郵政の市場を開放しろというアメリカが背後にそびえる大きな問題です。

  それから、トヨタ方式が「当たり前の会社にしよう」という言葉を使って進めているのですが、この「当たり前の会社」とは何か。経営をアメリカ並み、民間企業並みにすることによって労働者の権利がどうなっているのか。私は、こういった視点で記事を書きたいと思っています。

  むしろ、議論すべきは「郵政公社が民間企業にはできない社会的に必要なサービスをあまねく、公平に提供しているか否か」ということです。
  そのためには、色々とコストがかかるのだから、郵政公社が民間企業と同じ様な負担をしていないのはむしろ当然であります。
  繰り返して言いますが、本当に問われるべきは「見えない国民負担」をしているか否かではなく、「見えない国民負担に見合うような公共サービスを本当に郵政は利用者に提供しているのか否か」という問題です。それが「見えない国民負担」を考える上で重要な問題なのです。

  そういう視点で改めて現在の郵政公社が提供しているサービスの内容を見ると、全国に24,000近い郵便局を配置しています。民間銀行は全て合わせても全国で14,000店舗ぐらいです。
  つまり郵政公社は民間銀行よりも10,000も店舗が多く、いわゆる公立の小学校とほぼ同数、同じ密度で店舗を配置して郵政という公共サービスを提供しているわけです。

  これらを運営していくために相当のコストがかかるのは当然です。だから、こうしたサービスを提供すればその分だけ公的な負担が軽減されるのは、ある意味当然です。

  しかも、Q4で説明したように、郵便局は小口の貯金の機会を全国あまねく公平に提供しているのです。つまり民間銀行のように、お金持ちとお金持ちでない人を、都市部の人と地方の人を差別しないから、郵便局には「見えない国民負担」が必要なのです。



Q8
 「見えない国民負担」を問う 2
      銀行のための国民負担を問題にしなくていいのか?

 全銀協つまり銀行が集まっている団体ですが、そこの試算によると、「見えない国民負担」の総額はこの10年間で約6兆円となっています。郵便局のライバルである全国銀行協会が試算した数字ですから、多すぎても少なすぎることはありません。

  しかし、よく考えてみると民間銀行には不良債権を処理するために、この10年間で公的資金が約40兆円も投入されています。そのうちの半分の20兆円近くは返ってきません。潰れてしまった銀行にタダで渡したお金だからです。この10年間で20兆円ものお金を預金者という名の国民は民間銀行にタダでくれてやったことになります。それに対して郵便局は6兆円の「見えない国民負担」を受けているから不公平だというのは納得できません。

  むしろ、この10年間にかぎれば国民に被害を与え損失を与えたのは、40兆円もの公的資金を投入され、すでに20兆円を使い切ってしまった民間銀行の方で、銀行の方がはるかに問題にされるべきです。それなのに、郵政民営化の議論の中ではこうした問題は一切触れられていません。



Q9
 「民営化されれば郵政に集まっている資金が民間に流れる」は本当か?

 「郵政が民営化されれば郵政に集まっている資金が民間に流れる。国民経済的な観点から活用することができる。それによって日本経済が活性化していく」というのもおかしな主張です。

  いま郵便貯金と、簡易保険で預かっている約350兆円のうち135兆円が国債の購入に当てられています。つまり国の財政赤字を支えているわけです。そして経済学者の中には「郵便貯金があるから国は財政赤字を垂れ流している。郵便貯金がなくければ、財政はもっと健全化される」と、とんでもないへ理屈をこねている東洋大学の松原聡という教授がいます。この議論がいかにおかしいかは次の数字をみれば明らかです。 

  そもそも、民間銀行は国債を123兆円も買っています。民間生命保険会社は国債を28兆円買っています。民間銀行と民間生命保険会社を合わせると151兆円も国債を買っているのです。
  郵政の郵便貯金と簡易保険が買っている国債よりも多い金額を民間銀行と民間生命保険会社で財政赤字の穴埋め資金として提供しているのです。すなわち、民間のほうがはるかに財政赤字の尻拭いをしているのです。郵政の国債購入だけを取り上げて、民間については触れないというのは、郵政だけを悪者扱いにする「でっち上げ」のようなものです。



Q10
 郵政公社の公務員を民間人にすれば国民負担は減るのか?

 小泉首相が真っ先に言うのは、郵政公社に40万人近い国家公務員がいる、この40万人近い国家公務員を民間人にすれば、公務員の数が3分の1減る。それにより、行政改革は大きく進むというのです。要するに郵政公社の職員を民間人と呼び方だけ変えたら公務員は3分の1減り行政改革が大幅に進むと言っているのです。

  しかし、郵政サービスに従事している郵政職員の給料は税金から支払われているわけではありません。郵政サービスを利用している人の利用料金や郵貯や簡保の運用利益から払われており、公社の職員を民間人にしたからといって税金で負担している国家公務員の給料が3分の1減るわけではありません。



Q11
 法律で今後民営化は議論しないとしたはずだったのでは?

 もともと郵政公社は、公務員でなければできないサービスを郵政省に替わって提供するために設立した団体です。しかも1998年橋本龍太郎が内閣総理大臣の時に中央官庁の改革基本法の中ではっきりと郵政については、今後民営化等の議論はしないと法律に書かれています。これを決めたのは、国会であり、閣議でもなければ経済財政諮問会議でもありません。しかもこの法律を国会に提案するに当たり、事前に閣議で決定が行われていますが、そのメンバーの一人として小泉現首相は厚生大臣として参加していたのです。
  自分が閣僚の一員として決めた法律、しかも閣議決定に止まらず国会で審議までして民営化等の議論はしないと決めたことを、自分が総理大臣になったとたんに閣議でひっくり返したのです。



Q12
 虫眼鏡でないと読めないような公約は公約と言えるのだろうか?

 小泉首相が、「郵政民営化を公約に掲げた私を自民党の総裁に選んだのは自民党の皆さんだ。それに対して反対するなら、私の首を切ってからにしろ」という点も問題です。

世界中で公共サービスの破壊に対する
               NO!の声が上がっている
             秋本陽子さん(ATTAC Japan)

  いま、小泉首相が進めている郵政民営化はドイツをモデルに進めています。
  ATTACドイツの仲間から郵政の現状を聞いたところ「郵便が届かない」「値段が高くなった」「郵便局がなくなった」などまさにATTAC Japan や郵政ユニオンが懸念している民営化の問題点が起きていると報告されています。
  小泉首相が強引に民営化を推し進めようとするなら、まず私たちがあげているこのような疑問点に答えなければならないと考えます。

  世界では公共サービスの民営化に対して激しい批判、抗議が起きています。
  たとえばWTO(世界貿易機関)のなかでGATS(サービス貿易一般協定)交渉が進められていますが、このGATS交渉とは市場原理を導入して企業を参入させて利潤の追求をしようというものですが、住民からは、金持ちしか利用できず貧乏人は利用できないというシステムに対して激しい非難が起きています。

  また、ヨーロッパでは先月、サービスの自由化を進めるボルケスタイン指令案というものが提案されたのですが、これが民衆から激しい批判を受けています。
  この指令が可決されれば賃金や労働条件が引き下げられ、また公共サービスの水準も引き下げられるということで、3月19日にベルギーのブリュッセルにヨーロッパ中から7万5千人が集まって、ボルケスタイン指令に反対するという大きな抗議デモがありました。その結果EUはこの指令を修正せざるを得ないという事態になっています。

  つまり私たちは利用者の立場から政府に対して、いま強引に進めようとしている民営化の本質を問い、そしてNO!の声をぶつけなければならないと思います。

  郵政民営化が自分の最優先の公約のように言っていますが、2003年の総選挙の時に、小泉首相はこういう改革をしますということで「改革宣言」を公表しています。
  中身は大項目の合計で7つですが、一番初めには「日本の明るい未来をつくります」二番目には「国民の安全を守ります」三番目は「行政のムダをはぶき、簡素で効率的な政府を目指します」四番目に「思い切って経済の活性化を・・・」と続いています。
  その中で「郵政民営化」はどこにあるのか?と見ていくと、大項目ではなく、その下の注項目「『官から民へ』徹底的に改革を進めます」にもないのです。結局、さらに下の小項目の、虫眼鏡でないと見えないようなところに「2005年に道路公団を民営化し、2007年4月に郵政公社を民営化します」とこっそり小さく書かれているわけです。
  つまりこんな小さい字でしか書いていない公約にこだわり、「郵政民営化に反対するなら自民党は俺を首にしろ」えらそうに言うのは茶番です。

  郵政民営化を問題にするなら、公約の中には国民にとってもっと大切なことがたくさん書かれています。「公平な社会保障制度を目指します」「やる気と能力のある農業経営を後押します」「今後三年間で530万人の雇用を創出する」
  530万人もの新しい雇用が創出されたら失業者は0になって、200万人の人手不足が生じてしまいます。しかし、現実はいまだに300万人以上の失業者がいるわけです。こんな大事なことも守っていない。その他にも「北朝鮮による日本人拉致問題を必ず解決します」とありますが、その約束も一向に進展していません。
  また、虫眼鏡で見なければ分からないような小さな字で書かれている程度の約束を「改革の本丸」だと言い張り、その主張をそのまま記事にしている既存の新聞も節操がないと言えます。



Q13
 現場の経営者は民営化論議をどうとらえているのか?
                        民間出身の生田総裁の声


 郵政公社の生田総裁は小泉首相から政治的に任命された人です。任命された時点では小泉首相から公社に送り込まれた郵政民営化の使者だったわけです。
  しかし、この生田総裁が郵政公社に入って公共サービスを提供する立場になると、少しずつ考えが変わってきたようです。

黒字化のためにますます労働条件が悪化する
                郵便局の非常勤労働者
         天野みなこさん(郵政非常勤労働者)

  全国の郵便局で働いている非常勤職員は13万人くらいで郵便事業の約半数の労働力を構成しています。その主力であるゆうメイトは民営化に向けた本務者の削減、職員の非常勤化でますます増える傾向にあります。

  ゆうメイトの業務は、1998年の局内事務等の新施策以降、補助的な労働から本務者並みの業務に変化して来ました。その一方でゆうメイトの雇用は、契約自体は半年毎に交わすのですが、本質的には日々雇用とされています。
  国家公務員法や人事院規制は条件付臨時的任用や期限付任用を例外として認めています。しかし、従来は年末年始の繁忙業務にしか雇われなかったのが、今は常勤の代替として雇われています。
  こうした変則作業を行うことは法令の想定しないケースでして、この矛盾がすべてゆうメイトにしわ寄せされているといわれています。

  日々雇用は当局にはとても都合よくできていて、自分たちの意に合わないものを解雇しやすくしています。
  たとえばミスをしても管理職の主観で雇い止めに結び付けられるし、男性で髪が長いとか、もともと年齢制限のなかったゆうメイトですが、最近は65歳以上を定年として解雇する、高齢の方に嫌がらせをしてやめざるを得ないような状況を作り上げる場合もあります。

  雇い止めになっても全国各地でゆうメイトが裁判で闘って不当性を訴えていて、そのまま泣き寝入りをしているわけではないし、解雇されそうになっても労働組合に相談するなど解決方法はいくらでもあるということをゆうメイトの方々に知ってもらいたいです。

  ゆうメイトの不満の第一は賃金が安いということです。
  私の局で、最低770円という低賃金の上に昨年からゆうメイトにも賃金の評価制度が導入され、スキル基準を満たしていないという理由で大半のゆうメイトが賃金ダウンとなっています。
  この評価制度自体、当局による賃金を下げるための手段とも受取れます。
  本務者を削減してゆうメイトに本務者と同等の労働を押し付けるならもっと時給を上げろと言いたいのですが、単に安価な労働力としてゆうメイトを使っているということにすごく怒りを感じます。

  ゆうメイトの仕事は立ち仕事や肉体労働が多くて、みんな仕事がきついという実感を持っています。
  ゆうメイトには、いま、郵便事業の赤字を黒字に転換するためにトヨタ方式(JPS=ジャパンポストシステム)を導入するという説明がされて以降、そのJPS下で働いていますが、それによって労働条件が悪いだけでなく精神的なゆとりもない状況が作り上げられています。郵便物を区分けする後ろに管理職が立ってタイムを計っていた時期もありましたし、ゆうメイトの間に競争原理が持ち込まれるようになりました。

  人員と通数の合理化を図るという名目で原単位方式と称して手区分のノルマが課され、手が空いている人が忙しい人の手助けをすることも禁じられています。慢性的な人手不足で休憩時間も満足に取れず、仲間のゆうメイトと語らう時間もなくなりました。トイレに行くときも声をかけ、席をはずすときも許可を得るように言われています。JPS推賞というような様々な賞もできています。最近はみんな作業日報という表に出る仕事しかしなくなりました。

  このように公共サービスという理念とは違うところで仕事が動いています。これでは今後立ち行かなくなるこというのがよくわかります。
  公共性の高い職場で劣悪な条件で働いているゆうメイトの状況をできるだけ知っていただきたいと思います。
  今後、ますますゆうメイトという非常勤職員が担い手になっていくと思います。郵便局の現場だけでなく様々なところで非正規化が進んでいくと思いますが、様々な人々と連帯して現状を少しでも改善していくために一緒に行動していきたいと思います。

  どう変わったかと言いますと、昨年8月24日に経済諮問会議に呼ばれて、生田総裁は次のような証言をしています。
  郵政民営化をするなら「全国の利用者の立場でよりよいサービスが提供できる・・・ようにしてほしい」。
  この発言は国民に利益をもたらすという閣議決定の方針よりも、はるかに明解です。「全国の利用者」とは全国津々浦々郵便局を利用している利用者のことです。その人たちに「利益」という抽象的な概念ではなく「よりよいサービス」つまり今郵便局を利用している全ての人に「よりよいサービスが提供できなければならない」それができないのなら「民営化の意味が無い」と言っているのです。

  また、「三事業あげて黒字化し健全な財政基盤をつくり国家に役立てる」とも言っています。
  最初から四分割ありきではないのです。最初から窓口サービス会社、郵便会社、貯金会社、保険会社に四分割するのではなく、郵便事業、貯金事業、保険事業がしっかりと力を合わせて黒字化し、それによって税金で損失を補填してもらうことがないような「公社」にしたいと言っているのです。

  さらに「働く職員にとって将来展望があり、働きがいのある公社をつくる」とも言っています。
  つまり職員の身分を含めて、誇りと生きがいを持てる職場を作ることが重要であって「公務員」という地位をあたかも特権のように批判して「郵便局の職員批判」を展開する小泉発言に対して暗に反発しているのです。

  生田総裁が公社に入ってから色々と考えが変わった背景には、彼が言っているように「地方を回った実感、体感」があります。実際に地方を見て回って、そこを利用している人々の姿を見たら「やっぱり民間ではできない」と分かったのでしょう。

  それが分かったのは実は生田総裁は民間の経営者だったからではないかと思うのです。
  これは決して生田総裁を持ち上げているのではありません。つまり民間経営者だったから「民営化された時に自分は何をしなければならないのか」がよくわかったのです。
  民営化された経営者の立場で地方を回ってみたら、ここの郵便局は閉じなければならないと理解できたのです。だから「ドイツで30,000あった郵便局が民営化されたら12,000になってしまった。日本だって民営化されたらそうなってしまいますよ」と生田総裁は経済財政諮問会議で発言しています。

  民間にいたからこそ、民営化後に次々と閉鎖されていく郵便局の姿が目にうかんできたのだと思います。



Q14
 公務員は給料をもらいすぎているのか?

 私は最近の公務員批判について歴史的にみると不公平に感じています。確かに、時代に合わない色々の特典が与えられている点はさまざまな情報公開などでも明らかになってきています。
  しかし、バブルの頃、民間の証券会社はボーナス年間12ヶ月。20歳のお嬢さんが4月に証券会社に入いるとその年の7月には100万円のボーナスが出たのです。1988年の話です。
  何十年も役場で働き続けていたお父さんよりボーナスが多かった。それで海外旅行に行ったり、ブランド品を買ったり。つまりバブルで稼いだお金を新入社員にボーナスで分配していた。その時、公務員はいくらボーナスをもらっていたのか?せいぜい、年間5ヶ月程度だったはずです。

  しかし、そういう時代には民間に対する批判の声はありませんでした。なのに、今度は民間の業績が低下してくると「公務員はもらいすぎている。けしからん」の声が出てきます。
  現在の話しをすれば、私はむしろ民間企業が公務員に負けないくらいしっかりと給料を払い、待遇を改善するのが筋だと思います。民間企業と公務員がお互いに足を引っ張り合っていると、両方の労働者の地位が落ちるだけです。公務員がもらいすぎているというよりも、民間企業が厳しくしすぎているという点を明確にして、より良い条件を要求していくのが労働組合の役割ではないかと思います。



Q15
 民間企業はサービスに対して責任をとれるのか?

 民間というのは口先だけで、その場限りで何でも言える。しかし最後はそんな事をしていると、潰れてしまうと言って約束を守らない。そして、うまくいかなくなれば潰れてしまえばいいわけです。それが民間企業です。

  よく政府は「親方日の丸で潰れないから、どんどん非効率になってサービスが低下していく。けしからん」という批判をしますが、潰れないというのは働いているものにとっては結構厳しいことです。倒産できないから、一度約束したことは守り続けなければならない。本当は倒産したらすっきりするのです。
  しかし、倒産できないから約束したことを守り続けようとする。だから、あまり無理な約束は本来してはいけないのです。倒産できない厳しさがあるから、そこに信頼も生まれてくるわけです。

  実は公社というのは、そこに勤めている職員が犯した罪は公社の責任となり、公務員の場合には、国や自治体の責任となります。個人が悪い事をしたら、個人の責任で終わると思われているようですが、郵便局の職員が悪いことをしたら、郵便局全体が信頼を失い、国が賠償責任を問われる。
  これに対して民間企業は全部自己責任です。小泉首相の得意な自己責任です。自己責任で何でも最後は逃げるとができるのです。

  今から十数年前に旧富士銀行の行員がお年寄りから預かったお金を使い込んでしまった。バレそうになったからといって、お年寄りを殺してしまった。民間銀行の職員が自分の立場を利用して預金を横領して、バレそうになったから殺人を犯したというとんでもない事件が起きたのですが、その時に旧富士銀行の役員は「それは個人の犯罪です」と言って自ら責任を取ろうとはしなかった。

  つまり民間銀行は最後には職員、個人の責任といって逃げてしまうのです。企業が提供しているサービスであるにもかかわらず、企業に所属している職員が企業の名を使って犯した犯罪であるにもかかわらず、最後は個人という名の自己責任だといって、経営者は誰も責任を取らない。そういう無責任なことで逃げることができるのが民間企業でもあります。



Q16
 民間でできることと、公共でやるべきことは何か?

 民間企業のほうが効率的に提供できるものはたくさんあります。実際、公務員がプラズマテレビを作る必要もなければ、缶ジュース、お茶を作ることもないわけです。民間企業が作ればいいのです。

市民が連携して地域からロビー活動を
              国会でやることの必要性
          吉野信次さん(松戸市議会議員)

  利用者の立場からこの郵政民営化をどんなふうに考えればいいのかと言うことを数年考えてきました。
  いま、全国的にも各自治体で、議会の中でこの郵政民営化について拙速に民営化をするな、あるいは反対するという意見書が採択されています。
  私たちの松戸市は遅い方でしたが、昨年の12月にやはり拙速な郵政民営化には反対するという立場の意見書を全会一致で採択することがやっとできました。昨年9月には公明党が郵政民営化推進の意見書を出そうとしましたが、保守系の二つの会派が賛同せず、結局推進の意見書が出せないなかで私たちの昨年12月に出した意見書が全会一致で採択されました。

  早いところは、昨年の早い時期から反対の意見書が採択されるという状況があったように思います。これは多くの国民のなかに、あるいは議会に反映される市民の意識として郵政改革は小泉首相が言っているような民営化でいいかどうかという疑問があって、それが議会に反映されているのだと思います。
  私たちも今年の2月の初めにジャーナリストの池田実さんを呼んで市民のなかで話をしました。市民運動を積極的にやっている人たちのなかでも賛否両論です。なかなか一辺倒に反対というふうにはなりません。このことの背景には、多くの市民、利用者のなかにこの民営化についての本質的な論議がなかなか情報も含めて伝達されていないということがあります。

  今後は、もう一度、意見書が採択されるという状況はあるのですから、利用者・市民と郵政公社で働いている人たちが一緒になって、いろいろな立場からもう一度この郵政民営化の問題の是非を問ういろいろな企画をして世論作りをもう一度する、このことをぜひ私たち松戸でもやっていきたいですが、全国各地で進めていく必要があると思います。
  とりわけ首都圏の人々にとっては地理的な条件として国会のロビー活動を徹底的にやるべきだと思います。

  自分たちの経験のなかでここ数年間、有事法制から憲法9条の問題に至る過程のなかで地域からロビー活動を国会でやるということがどれだけ大切なのかということを体験しました。
  日本の市民活動はあまりロビー活動をやりたがりません。ものすごく政府や政党と市民活動の垣根があって、気軽に国会にいったりすることが少ないです。
  最近はずいぶんいろいろな形で進められてきていると思いますがこのロビー活動を政党との垣根を越えて徹底して進めていくということをした方がいいのではないかと思います。
  自民党の中にも郵政民営化の是非の問題があります。ロビー活動を首都圏のいろいろな立場を越えて市民たちがその活動をすることを通じて、もう一度世論を国会に反映させていく、そして6月の国会の最終場面で法案が成立するということのない状況を作るということをぜひ進めていかなければならないと思っています。

  憲法9条の問題では地域でも9条の会に連携する地域組織が全県的にどんどん作られているし、9条の会地方議員ネットワークという100名規模の活動も進められています。
  そういった憲法9条を守る運動や教育基本法改悪反対の運動とも提携しながら、短期的であっても郵政民営化反対の活動を国会のロビー活動等に表現して郵政民営化法案を阻止していく、そういう取り組みができたらと思います。

  商品として作ったほうがいいものは山のようにありますから、そういうものは商品として民間企業が作ればいいのです。

  しかし、公共サービスとして提供しなければ困るサービスも世の中にあることを忘れてはなりません。
  そのウェイトは必ずしも高くはありません。全体で言えば100円お金を使うと、せいぜい10、20円ぐらいの割合かもしれません。でもその部分は絶対に「商品」になってしまうと困るのです。

  国民年金株式会社という会社ができて、そこにせっせと掛け金を払い込んでいたら、いざ給付を受ける頃になって倒産してしまったでは困るのです。長い期間、安定的なサービスを提供することは民間にはできないし、限界がある。その一つが、私は郵政サービスだと思います。

  そういう点から言うとこれは郵政公社の方と意見が分かれるかもしれませんが、郵便局の窓口で投資信託などの金融商品を販売しないでほしい。そういう商品を販売するから、民間企業と同じように見られてしまうのです。
  郵便局は通常貯金と定額貯金だけ扱っていればいいと思います。銀行でも買えるような投資信託、株、国債もわざわざ窓口で売る必要はありません。最低限必要なサービスをしっかりと提供しているからそこに存在価値があるわけで、民間企業がやっているような商業的なサービスまでやる必要はありません。だから、私はローソンにあるポストに手紙を入れる気にはなれません。本当に届くのかなぁと心配になるのです。

  それこそ100数十年来かけて築いてきた信頼であり、ポストというのは通り道に立っていてそこに手紙や葉書を入れれば届けてくれる。でも、コンビにあるのはどう見ても私にはポストには見えないのです。そういう信頼を維持していくためには民営化しては駄目だと思います。



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