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法案の疑問と矛盾は何も解明されていない
掘り下げた議論で良識ある結論を

  「5票差の衝撃」さめやらぬ「郵政国会」は、いよいよ今週から参議院特別委員会での本格論戦が始まります。
  マスコミでは参院での票読みばかりに焦点があてられていますが、肝心の郵政民営化関連法案の中身についてはまだまだ不明な点、疑問点が山積していると言わざるを得ません。「何のための民営化か」という国民の素朴な疑問に答えるため、良識の府・参議院でのていねいな掘り下げた審議が求められます。

福祉切り捨て−ボランティア貯金・口座が廃止

  衆議院では、民営化法案の入り口論議が始まったにすぎません。例えば、法案施行に伴う「関係法律の整備等に関する法律案」(内閣提出89号)についての審議はまだほとんど行われていないのです。この法律では、民営化法案施行に伴い廃止される法律が13、改正される法律が158、関係法律の施行にともなう経過措置に関する附則が113もあります。

  この中では国民生活に重要な支障をもたらす内容が数多く含まれています。
  例えば、廃止される法律に「郵便貯金法」「簡易生命保険法」「郵便為替法」「郵便振替法」「郵便貯金の利子の民間海外援助事業に関する寄付の委託に関する法律」(国際ボランティア貯金)、「郵便振替の預り金の民間災害救援事業に対する寄付の委託に関する法律」(災害ボランティア口座)などがあります。この廃止により今まで郵便局が行っていた福祉サービスや社会貢献活動が一気に無くなるのです。

  「郵貯法」廃止により、障害者、遺族、高齢者の方々の経済的負担を軽減するための「ニュー福祉定期貯金」や「介護貯金」が廃止されるほか、開発途上地域でのNGO活動に役立てていた「国際ボランティア貯金」、国内の非常災害の際に郵貯振替口座の預り金を救援ボランティア団体へ寄付するための「災害ボランティア口座」などが廃止されるのです。
  さらに、一般の銀行に比べ安い手数料で行っていた現行の郵便局の送金サービスである「郵便為替」と「郵便振替」も廃止され、一般銀行並に料金が値上げされることになるでしょう。
  民営となる郵貯銀行は経営基盤安定のために、福祉や社会貢献施策はやめて手数料は値上げせざるを得なくなるのです。

郵便料金が認可制から届け出制へ
いつでも値上げ可能に

  郵便事業の基本法、憲法ともいうべき「郵便法」が大きく変わります。

  まず、郵便物の種類が従来の「通常郵便物」「小包郵便物」という区分から、小包が削除され、郵便物(第1種〜第4種)一本となります。
  小包事業は郵便法からはずれ、管轄が総務省から国土交通省へと移行するのです。これにより小包のユニバーサルサービス義務が無くなり、過疎地や離島発着の小包料金の値上げや集荷・配達サービスのダウンが行われる可能性があります(竹中担当大臣は政策料金を適用していた沖縄発着小包は「コストに見合ったものになる」と答弁)。

  小包だけでなく一般の手紙・はがきの料金も値上げされる可能性が十分あります。
  今回の郵便法改正では、従来「認可制」だった郵便料金が「届け出制」へと大きく変わります。現行では「能率的な経営の下における適正な費用を償うものであること」とあった条件が、「適正な原価を償い、かつ適正な利潤を含むものであること」と変わるのです。
  つまり利潤を上げるためには、いつでも簡単に料金値上げの届けを総務大臣に出せば、すぐ新料金が適用されることになるのです。現に小泉首相は「料金は下がることもあれば、上がることもある」とはっきり答弁しています。
  手紙・はがきの独占的分野は値上げして、小包やダイレクトメールなどの競争分野はどんどん割り引きするという料金格差となってあらわれるのです。

さよなら郵政民営化!さよなら小泉内閣!
   郵政民営化法案を廃案に!市民集会

と き  7月29日(金)18:30〜20:30
ところ  社会文化会館 参加費500円
国会報告
  福島瑞穂さん(社会民主党党首)
アピール
  市民団体、労働組合など
主  催
  郵政民営化を監視する市民ネットワーク

  今回の郵便法改正では、速達制度が無くなるほか、現在郵便局が一定の条件で無料貸し出しを行っている私書箱制度も廃止となります。新しくできる窓口会社は有料で私書箱を貸し出すビジネスを始めるとでもいうのでしょうか。
  長い間国民に利用されてきた速達や私書箱サービスも、民営会社にとってコストがかかり過ぎると容赦なく切り捨てられる運命にあります。

3種・4種郵便値上げも

  また政策料金として現にある第3種・第4種郵便についても、制度は残るものの対象郵便物が制限される可能性があります。
  国会答弁では、第3種・4種郵便のユニバーサルサービスを維持するために設けられる社会貢献業務の基金の対象は、第3種郵便のうち「心身障害者団体の発行する定期刊行物」と第4種のうち「点字郵便物」に限られ(計60億円)、他の第3種定期刊行物や第4種種苗・学術郵便物については大幅な料金値上げや対象除外とされることが考えられます。
  結局、民営化により確実なのは、不採算部門の切り捨てによるサービス切り捨てと料金値上げ、メリットと言えば不確実な「経済の活性化」や「新規サービスによる利便性拡大」というバラ色の夢でしかありません。

矛盾だらけの郵便認証司制度

  今回の郵便法改正で新設された新たな資格に「郵便認証司」があります。
  特定郵便局長会に配慮して設けられたと言われる「公的地位」で、総務大臣が任命するというものです。特殊会社とはいえ民間人の社員を国が任命するというのでは公務員と言われてもしかたありませんが、試験はなく任命は「会社(郵便事業会社)の推薦に基づいて行う」(第59条)というあいまいなものです。

  想定される対象者は国会答弁によると特定郵便局長と普通郵便局長および郵便関係管理者というものです。
  簡易郵便局長を除くとすると特定・普通局長数は計2万名余、それに郵便課長・集配課長等の管理者を加えると4万名近くが「郵便認証司」の資格を得ると言われています。2007年発足予定時の郵便事業会社の想定人員は11万人弱と言われていることから、実に3分の1強の社員が国から任命された資格を持つ特例「公務員」となるのです。

  また、承継計画で最終決定されるとはいえ、無集配の特定局職員をはじめ現公社の半数強約13万人が郵便局会社(窓口会社)に配属されると想定されることから、多くの特定郵便局には郵便会社所属の郵便認証司・特定局長と窓口会社所属の職員が同居することになります。
  さらにいえば、郵便会社が業務を委託する窓口会社から、「営業所」としての賃貸料を得る郵便会社の特定局長がいるという奇妙な構図が見えてきます。

  このように関連法案は矛盾と疑問にあふれています。
  はっきりしているのは、各種サービスの切り捨てと各種料金値上げだけなのです。「政局」を言う前に、現法案の問題点をえぐり出し、国民の前にわかりやすく明らかにすることが参議院特別委員会で求められています。
  小泉首相は参議院で「丁寧」「誠実」な答弁を行うと言いますが、言葉だけでなく中身のともなう具体的な答弁、衆議院の延長ではない掘り下げた真面目な審議を国民は望んでいます。

http://www.ubin-watch.net

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