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誰のため、何のための「竹中研究会」か
背景には、米国政府の「エクスプレス便」市場開放要求も

  郵便市場の民間開放は、日本はトップ!

  郵便事業における民間参入シェアは、英国が0.5%、フランス2%、オランダ4.3%、ドイツ5.1%、アメリカは緊急性の高い書状以外は、完全独占。日本はなんと6.6%で世界一となっています。(2004年度の経営の自由度と競争進展度の各国比較)
  これは、民間メール便などによって郵便市場が侵蝕された結果で、日本はけっして市場開放が遅れている訳ではありません。

  ところが、さらに郵便市場を開放させ、「競争の促進」をはかろうと総務省は、総務大臣主催の「郵便におけるリザーブドエリアと競争政策に関する研究会」(以後、「竹中研究会」)を今年に入って開催し、回数を重ねています。
  去る3月20日開催の「研究会」では、「日本郵政公社に課せられているユニバーサル(全国一律)サービス義務について、新規参入者に対しては全国ではなく、一定地域内での義務にとどめるべきだといった意見が出され、引き続き検討することになった。」ことが報じられました。
  もし、そのように民間企業を特別扱いをすればどうなるのでしょうか?
  儲かる都市部に限定してサービスを行なう企業が登場し、郵便市場はさらに侵蝕されることは明らかです。その結果、郵便サービスは、さらに低下せざるをえません。

 欧米では、ユニバーサルサービス維持のための産業政策が常識

  EU各国では、10年近く一定の重量で線引きし郵便事業体の経営基盤の確立とともに自由化を進めてきました。近年は、50グラム以下は独占を維持しています。08年には完全自由化が予定されています。
  各国に民営化・規制緩和を要求しているアメリカでは、郵便の独占が続いています。
  ところが、日本は、重量ではなく「内容による基準」がつくられたためにダイレクトメールをメール便が扱い(欧米では信書扱い)、メール便で信書が送達されたりもしています。総務省に報告されている違反事例件数は390件を超えています。

  また、日本では、郵便業務に消費税がかけられていますが(2004年度660億円)欧米事業体は免税されています。その額は、ドイツは、2855億円、フランスは2984億円、英国の免税額は2786億円にも達しています。
  「郵政民営化」にともない郵便事業会社にはユニバーサルサービスを維持することが義務づけられます。また、法人税などの税負担は民間と同一となります。
  しかし、ユニバーサルサービスを維持するための産業政策がとられません。
  「竹中研究会」は、郵便のユニバーサルサービスを維持するための解決方法こそ検討すべきです。

  背景には米国による強い対日要求が?

日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく
      日本国政府への米国政府要望書
                      2005年12月7日

民営化
  小泉首相による日本の公社・公団の再編及び民営化の取組みは、米国にとって引き続き重要な関心事である。
 <略>
  日本の銀行・保険・エクスプレス便市場において、米国系企業、日本企業およびその他の民間企業に比べて日本郵政公社に付与されてきた税制面などでの優遇措置を撤廃するよう、米国は長年にわたり求めてきた。日本は、2005年10月に国会で法案を成立させることにより、その方向へ重要な進展をはかる枠組みを築いた。
 <略>
  本年の民営化にかかわる提言の重要項目は下記のとおりである。

提言の概要
・ 郵便貯金と郵便保険における競争条件の同一化:日本郵政公社が民間企業と全く同じ納税、規制、法的義務を課せられ、また同じ監督基準と取り扱いを受けるよう確保する。
 <略>
・ 競争状況と新商品:郵便金融機関に対して新しい貸付業務、新規または変更された郵便保険商品の引受け、および元金無保証型投資商品の元売りを許可する前に、日本の銀行と保険分野において真に同一の競争条件が確立していることを保証する。
・ エクスプレス便の公正な競争:日本郵政公社およびその関連企業による物流サービスが、全国一律の郵便サービスと明確に切り離されたものとし、郵便事業会社と民間企業に同じ税負担を課し、民間エクスプレス貨物運送会社に適用されているものと同じ通関手続きを日本郵政公社が取り扱う郵便および小包に適用されるものとし、郵便事業会社の効率的な損益状況の開示を行うことを確実にする。
 <略>
*全文はこちら(在日米国大使館HP)から

  米国政府が、郵政民営化を日本に要求してきたことは衆知のことです。とりわけ郵便貯金・保険分野の市場開放を要求してきたこともいまでは広く知られています。

  昨年12月7日最新の「「日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本政府への米国政府要望書」(以下、「要望書」)では、「米国は日本郵政公社の民営化という日本のイニシアティブを特に歓迎する。」とし、その中で、貯金・保険だけではなく「エクスプレス便」市場の「公正な競争」を要求してきています。
  具体的には、「物流サービスが、全国一律の郵便サービスと明確に切り離されたものとし、郵便事業会社と民間企業に同じ税負担を課す」ことを求めています。

  つまり、米国は、「法人税などの免除措置はだめ」「ユニバーサルサービスを維持するために優遇措置はだめ」「郵便事業が、その収益を物流事業へふりむけ事業基盤を強化することはだめ」と先制的に要求してきているのです。

  世界の4大インテグレーターは、TNT(オランダ)、UPS(アメリカ)、フェデックス(アメリカ)、DHL(ベルギー)です。米国政府の「要望書」は、UPSやフェデックスが日本やアジア市場を獲得するための要求なのです。
  米国政府の「要望書」が出たのは、昨年12月。「竹中研究会」がスタートしたのは、06年1月。見事に連動しています。

  日本郵政公社は、TNTとの提携によりアジアナンバーワンのインテグラー構想を進めています。
  国際物流事業のために郵便事業の収益を振り向けるのではなく、郵便ユニバーサルサービスを維持していくための産業政策が必要です。

http://ubin-watch.ubin-net.jp/

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