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Ubin Watch News No.42

東日本大災害被災者のみなさんには心よりお見舞い申し上げます

社会復興に郵政事業は全力を尽くして

 ・原発危機がなければ復興支援により尽力できたはず

  3月11日に発生した東北太平洋沖大地震とその後の津波は、万余の人々の生命を一瞬のうちに飲み込み、被災地の人々の一切を奪い、東日本全体の社会・経済に大きな混乱をもたらしています。燃料や生活必需品の生産や物流にも大きな影響が出ており、被災地域への支援が滞る事態になっています。
  そしてそれに輪をかけて救援事業を困難にしているのが福島第一、第二原発で発生した事故です。
  長年にわたり地域の社会運動がその危険性を告発してきたにもかかわらず、東京電力や国はそれを無視するだけでなく、本来であれば今年の3月26日に使用耐用年数40年に達し閉鎖・廃炉すべきであった福島第一原発一号機を10年間延長運転するという決定をこの2月におこないました。
  現在、政府、電力会社、消防、自衛隊などによる懸命の冷却・電源復旧作業等が行われていますが、原発さえなければ、これらの人々や物資などをすべて震災・津波の被災者支援にあてることができたはずです。
  たとえ事故のさらなる拡大を抑えられたとしても、すでに大気中に放出された放射能は何らかの影響を与えるでしょうし、無残に焼けただれたこの危険極まりない物体は、ほぼ未来永劫どうすることもなくこの地に打ち捨てられるままになるでしょう。
  国、電力会社が今すぐにやるべきことはすべての原発を停止することです。被災地の人々は、私たちの友人たちは、被災だけでなく被曝の恐怖にさらされながら、この日々を耐え忍んでいるのです。

 ・被災地の郵政事業を早期再建し地域インフラの復興支援を

  全国津々浦々あまねく存在する郵便事業ネットワークも今回の震災で大きな被害を受けました。
  東北地方の郵便局1932局のうち(簡易郵便局を除く)、3月22日以降も営業再開できない局は、岩手では全308局のうち77局、宮城では全363局のうち150局、福島では全432局のうち112局にのぼります。
  連絡が取れない職員は、社屋が壊滅した陸全高田支社の20名をはじめ数百名に上ると予想されますが、いまだ被害の全容は不明です。
  ATMも震災発生直後には東北地方を中心に約3000台が停止し、関東では計画停電の影響から管内の全ATMの9割に当たる約5000台が当面休止となっています。

  被災した現地の友人から伝えられる情報はどれも厳しいものばかりですが、「公共サービスを市場から社会へとり戻そう」と訴えてきた私たちにとって見逃すことのできないのが、この20年来効率化の名のもとに進められてきた規制緩和や民営化の影響です。
  大店法による大型スーパーの登場でシャッター通りとなった地域の商店街には被災した人々に配ることのできる食品や物資がない、自冶体病院の統廃合や広域化によって身近な地域に総合病院がなくなり、集約された病院には負傷者や入院患者があふれているが効率化によるぎりぎりの人員配置では対応しきれない、公務員バッシングや人件費削減などで減らされた自治体職員が不眠不休で被災支援に当たる姿など、普段ではあまり実感できなかった規制緩和や民営化や効率化の実態が災害によってむき出しにされています。そのツケはとりわけ貧しい人たちや高齢者、女性などに押し付けられています。

  郵政民営化もこのような規制緩和・民営化の流れの中で進められたものです。
  民営化直前には集配センターや物流拠点の統廃合が強行され、とりわけ地方では郵便物の配達の広域化がおこなわれました。業務や人員配置に余裕のない「ジャストインタイム」のトヨタシステムの導入も強行されました。
  そして民営化によって作り出された「赤字」によって、不安定・低賃金の期間社員の雇用がまっさきに奪われようとしています。
  しかし今回の震災で首都圏の交通機関もストップしましたが、その際にも郵便局の地域近隣に住む期間社員が真っ先に出勤して震災後の対応にあたっています。つまり働く人も利用者も地域で支えるということが、もっとも効率的でありリスク回避の一番の対策でもあるのです。

  地域で支える雇用が不安定であってはなりません。
  地域で働く期間社員の希望する人すべてを正社員化すること、とくに被災地域を優先し、期間社員とその家族の雇用面での不安を解消することで復興支援の一つとすることが必要ではないでしょうか。
  自らも被災し、さらに被災家族をも抱えながら、その地域で雇用されているからこそ郵便屋さんは被災地の最も近くで復興に尽力しています。郵政グループはこの社員達の雇用と安全をきちんと保障すべきです。現在行われている非正規切りなどは即刻撤回すべきです。
  さらに被災地域から広く郵政事業への雇用拡大を図るべきです。被災者の収入の安定に寄与することで社会復興への早期尽力が期待できます。地域の公共インフラを担ってきた事業だからこそ、地域の人々の雇用拡大によって再度その強固なインフラの確立が求められています。

 ・郵政三事業は一体的に運用されてこそ地域インフラ復興に寄与できる

  また経営形態の見直しも必要になってくるでしょう。
  被災地域の配達料金の優遇などが望まれるところですが、そうすると郵便事業会社にはさらなる負担が予想されます。一方で全国津々浦々から郵貯・簡保を通じて集まる資金は、民営化=株式会社化によって民間金融機関との競争のなかで1円、1銭でも有利な金融市場に流れる仕組みが準備されています。未曽有の金融危機への対応として日米欧などの中央銀行による空前の金融緩和によりあふれ出た世界のマネーが、今後の復旧・復興を見越して建築関連や資源市場などに集中しています。
  しかし全国津々浦々から郵貯や簡保に集められた庶民の貯えは、マネーゲームや民間金融機関と競合する事業にではなく、震災復興をはじめとする社会的事業へ運用されることが望ましいはずです。
  もちろんそうなればハイリターンを期待することは難しいでしょうし、郵政グループ全体の財務諸表上の経営にも少なくない影響を及ぼすでしょう。
  株式上場によるステークホルダーの多様化によってもたらされるのは公共サービスの多様化ではなく、すでに誰も信じなくなっている金融市場の規律、つまりマネーゲームの論理が公共サービスを支配するということです。そうなる前に、株式会社を廃止して、政府、利用者、労働者などが責任を持つ三事業一体の社会的経営に転換し、必要な公的事業として財政的にも社会的に支えるべきだと考えます。

  いまこそ、だれもが安心して利用できる郵便、ゆうちょ、かんぽが必要です。
  とくに被災地域においては、今後の復興いかんによっては民間の金融サービスが手薄になる可能性もあるでしょう。その際、庶民の生活を支える金融インフラとしての郵貯、誰でもはいれる簡保などは、無理に民間の金融・保険と競争する必要はなく、重要な役割を果たすでしょう。

  このような観点から、郵政改革法案をしっかりと審議し、被災地の方々を全面的にバックアップすることを新たな使命とする公共サービスとしての郵政事業を確立することを訴えます。

 

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